2015年10月22日

楽観、衝撃、悲しみ、後悔の名表現〜遺留捜査 第8話より

楽観、衝撃、悲しみ、後悔の名表現〜遺留捜査 第8話より

最近、上川隆也主演の遺留捜査をまた見ているんだけど、
第1シリーズで個人的にとても印象的なシーンがあります。

今日はそんな話を書きたいので、僕にあと三分間だけ、時間をもらえませんか。

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ちなみに遺留捜査というドラマは
上川隆也が演じる遺留品フェチの糸村聡が、事件現場に残された遺留品から犯人へのヒントと一緒に被害者の隠された意図を見抜いて、たいてい最初は被害者にいい感情を持っていない縁故のある人に真実を3分で伝えて泣かせるという構成のドラマ。

基本的にこのパターンは変わらないんだけれど、
第1シリーズの8話「つぶれた指輪」にはちょっと面白い演出があるのだ。

あらすじはざっくり言うと、

自分が過去、自殺に追い込んでしまった社長の娘と結婚した元借金取りの水嶋(長谷川朝晴)が、

それに気づいて強請りに来た借金取り時代の同僚から妻を守るために色々とでっち上げて妻と離婚したものの、結局同僚に殺されてしまう。

糸村は犯人を追い詰めると共に、遺留品の指輪から離婚式までして妻と別れた水嶋の真意を妻に伝えて泣かせる。

という内容なんだけど、

この回の特筆する点は

借金取り時代の水嶋が、追い詰めた社長の首吊り死体を見た時の独特の演出にあります。

普通、首吊りを発見したシーンだったら
「ドーン!」とか「ジャーン!!」みたいな衝撃的な効果音でその深刻さを演出するもんじゃないですか。

ところが、この話では
倉庫で首を吊る死体を見て「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と
叫びながら腰を抜かす水嶋の後ろを

なぜかちんどん屋が間の抜けたワルキューレの騎行を叩きながら通りすぎるんです。

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その後も、泣きはらしながら肩を落として歩く水嶋の周りを、のんきな曲を奏でながらまとわりつくちんどん屋。

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世にも奇妙な物語と見まごうばかりのホラー演出。

だけどね、泣きながら顔を覆う男と、その周りを呑気にチントンシャンやってるちんどん屋のコントラストが、見ている側に色んな感情とストーリーを感じさせるのです。

軽い気持ちで借金取りのバイトをやって、
借金の取り立てにも慣れてきていい感じに調子に乗っていたけど
まさか、自分のせいで人が死ぬなんて思っていなかった。

こんなつもりじゃなかったんだ。
俺は取り返しの付かないことをしてしまった。
許してくれもうしませんごめんなさい。

楽観、衝撃、悲しみ、そして後悔。

彼が借金取りから足を洗うまでの経緯が
たかだか数十秒程度のシーンに全て詰まっているんですね。

この回の脚本を書いた坂田義和氏は
相棒なんかでも結構脚本書いている人、

脚本家によって同じドラマでも
結構演出違うんだなと思ったきっかけになったシーンでした。

最近じゃ花咲舞、エンジェルハートと忙しそうな上川隆也だけど
遺留捜査も第4シーズンやってくれないだろうか。

ちなみに糸村の話が3分で終わった試しはないので、
この記事を読むのに3分以上かかったとしても文句はいわないように。

ライブラリ0029「遺留捜査」

遺留捜査DVD-BOX【DVD】

第1シーズンでは全体的にウザい嫌われ者って立場の糸村が、部署が変わった第2シーズンでは「変わり者だけど有能」って扱いになっててちょっとホッとした記憶。

Dビデオでも配信されていたと思う。
動画配信サービス「dビデオ」ならテレビ、パソコン、タブレットでも見放題